毎年ぴったり灯油を使い切れればよいですが、なかなかそうもいきません。
冬には重宝する灯油ですが、去年残ってしまった灯油を今年も使って問題ないのでしょうか。
実際のところ、灯油の使用期限は明確に定められておらず、正しく保管をすれば1年以上経っても使用できます。また、間違った保管方法ではあっという間に劣化し使えなくなります。
使用期限の過ぎた灯油は、どんな問題を引き起こすのか不安な要素のひとつですね。

捨てるのはもったいないけど、古い灯油で火事になったら怖いし…
使用できる期限の過ぎた灯油を誤って使用すると、火災の原因になるなど危険な場合があります!
ここでは、保管していた灯油がまだ使えるかの判断方法や上手な灯油の長持ちのポイントを紹介します♪
正しく保管すれば、安心して快適な冬が過ごせます!
灯油の使用期限は保管方法に左右されていた!

灯油に明確な使用期限は定められておらず、完全に保管方法に影響されます!
灯油の弱点を知らずに保管するとたったの2ヶ月で劣化し使用できなくなります!
使用期限を伸ばすための重要な4つのポイントをチェックしていきましょう♪
- JIS規格のポリタンクを使う
- 直射日光や紫外線を避ける
- 温度管理と異物の混入に注意する
- 空気による酸化を抑える
灯油はどんなところに保管していますか?できれば室内での管理が理想ですが、室内にスペースがなく室外に置いているケースもあるでしょう。
保管方法によっては何年も使え、逆に保管状況が悪ければあっという間に使用できなくなります。
以下の点に気をつけて保存すれば、使用できる期限が長くなり、次の冬まで上手に保管できます。
灯油専用ポリタンクでの保管が基本
灯油専用のポリタンク等で保管をする事がまず大前提です。
JISのポリタンクは性質が良く、紫外線を通さないため劣化が緩やかで、太陽熱で発火しない工夫がされています。
我が家のポリタンクにもちゃんとJISの表記がありました!

灯油専用ではない白いタンク(水用)は紫外線を通してしまい、さらにフタに灯油がかかると変形してしまい危険です。
保管に不向きなうえに、灯油の劣化が早く使用期限が短くなりますので、使用するのは絶対にやめましょう。
直射日光や紫外線を避ける
直射日光や紫外線の当たらない屋内で保管するのが基本です。火気のない場所に保管しましょう。
灯油が直射日光に当たるとわずか2ヶ月程度で劣化し使えなくなります。
屋内にスペースがない場合は納屋や物置などの暗室で保管するのがよいでしょう。
それもない場合は日差しや紫外線、雨や雪を避けるために雨よけカバーをかけるか、コンテナやストッカー等の収納ケースに入れましょう。
もちろん収納ケースは玄関等の屋内でも利用できます。

18Lのポリタンクがピッタリ2つ入るサイズでおすすめです!
雨も防げて見た目もすっきり収納できますよ。
温度管理と異物の混入に注意する
雨や雪、ゴミが入らないようにキャップはしっかり閉めましょう。
室内であっても、温度差の激しい場所に保管するとポリタンクの中が結露し、キャップを閉めていても、弱点である水が混入してしまいます。
ポリタンクの中身が少なければ少ないほど、結露のできる内側の面積が大きくなってしまいます。
高温の場所は灯油の酸化が進んでしまいます。温度の観点でも、日の当たらない暗所での保管が適切です。
空気による酸化を抑える
空気に触れる面が多いと酸化するスピードが上がります。
容器内の空気が多いと灯油を酸化させてしまいます。ですが、残ってしまった灯油を保管するわけですから、容器に満タンに入っているケースは少ないでしょう。
金属製タンクの使用もおすすめ
金属製のタンクはポリタンクよりもさらに劣化が緩やかで、日光を通しにくく、温度変化も抑えられます。
ホームタンクは室内用と室外用があり、タンクから暖房機器へ直接ホースでつなぐ事ができます。
屋外用はサイズが豊富で大きいものでも設置できるため、灯油の消費量の多い雪国では重宝されています。
劣化すると錆びて灯油が漏れる難点があり定期点検が必要です。
個人では購入できないため、業者に依頼して取り付けます。
屋内用は個人で購入できる物も販売されていて、女性でも運べる重さです。自分で取り付けが可能です。
こちらの屋内用なら室内に置けるので錆びる心配はありません。
また、大きすぎないので室内でも邪魔になりにくいサイズです。
自分のライフスタイルに合っているものを選択しましょう。
ポリタンクよりは比較的高価になります。
灯油の使用前には劣化していないかの確認を♪

暖房機器を傷めないためにも、灯油が劣化していないか使用前の確認が大切です。
より安全に使用できるよう、暖房機器も年々進化し、少しでも灯油が劣化しているとエラーが出やすくなっています。
安心して灯油を使用するための、劣化を見分ける3つの特徴を解説していきます。
- 黄色っぽく変色する
- すっぱい匂いがする
- 水やゴミが混ざっている
以上の灯油の変化は、透明なペットボトル等の容器に移すことで目視でも簡単にチェックできます。
色が黄色っぽく変色している
正常な灯油は無色透明で色はついていませんが、紫外線などの影響で劣化すると黄色や茶色のような茶褐色に変色します。
少しでも変色していたら成分が酸化し変質している証拠ですので使用をやめましょう。
色は見た目で1番判断しやすい変化です。分かりにくい場合は背景に白い紙を置くなどして見やすい状態で確認しましょう。
すっぱいような匂いがする
灯油には特有の匂いがありますが明らかにそれとは違ってすっぱい匂いや刺激臭がします。
灯油の変色があまり見られず分かりにくい時は匂いでも判断する事ができます。
水やゴミが混入している
キャップがきちんと閉まり切っていなかったなどの理由で密閉が不十分になり水や雪、ゴミなどの不純物が混入している灯油は使用できません。
水が混入している場合は、透明な容器に移すと水と灯油が2層に分かれて見えます。
この場合は臭いでは判断できませんので必ず透明な容器に移しましょう。
残っている量によっては少し大変ですが、水は下に沈んでいるのでタンク内の灯油を全部取り出さないと、混入しているかの判断ができません。
ちなみに我が家の保管方法ですが…


キャップを閉めてすらなかった…
劣化してしまった灯油や不純物の混ざった灯油を使用するとどうなってしまうのでしょう。
灯油が古いと使用した時に起こる問題2つを解説

ここまで灯油の保存方法や劣化のチェック方法を確認してきましたが、実際に古い灯油を使用するとどんな問題が起きるのでしょう。
古い灯油を使用したからといってすぐに火災になるというわけではありません。
ですが、消火に時間がかかるなどの問題が出て一酸化炭素中毒の危険があります!
暖房機器により、古い灯油を使用したときの問題は異なるところがありますのでそれぞれ確認していきましょう。
古い灯油をファンヒーターに使用した場合
ファンヒーターに古い灯油を使用すると不完全燃焼を起こし煙暖房機器が故障する原因になります。
正常に着火できず黒煙や白煙が出て異臭が発生し、のどや鼻を刺激する恐れがあります。
ファンヒーターが異常を感知してエラーが表示され、点火できてもすぐに消えます。
最終的にはバーナーにすすがつき、点火すらできなくなります。
エラーが表示されているのに何度もスイッチを入れて不完全燃焼を繰り返すと、最悪の場合は一酸化炭素中毒を引き起こし大変危険です。
古い灯油をストーブに使用した場合
ファンヒーターとは逆に、ストーブに劣化した灯油を使用すると、消火が正常に作動せず消えにくくなります!
安全性から考えるとちょっと怖い感じがしますね。
私が子供の頃は灯油の使用期限なんて考えた事もなく当たり前のように昨年の残りを使っていました。
確かに消火ボタンを押しても少しの間メラメラと火が消えなかった記憶が。

あれは灯油が劣化して消火不良を起こしていたのか…
劣化した灯油は暖房機器を痛める事にもつながり、それにより故障した場合は保証対象外です。
火災や健康被害のリスクもあります。室内で燃やすものですから、少しでも不安のある灯油は無理に使用せず、処分してしまう方が安心ですね。
ここで、劣化してしまった灯油の適切な処分方法を紹介します♪
灯油の使用期限が過ぎてしまった時の処分方法

使用期限の過ぎてしまった灯油を処分する方法はいくつかあります。
灯油の価格が高騰化し、処分するのはもったいないですが、そのまま使用すると暖房機器が故障しかえって高くついてしまいます。
使用できなくなった灯油は正しく処分しないと火災の原因になります。
灯油の量が少ない時は新聞紙に染み込ませる
少量であれば使い切ってしまうのが1番簡単です。
どうしても使い切れない場合は新聞紙や布等に染み込ませ、ビニール袋に入れて可燃ゴミとして廃棄しましょう。
引火する可能性のある液体である事を十分に理解し、しっかりと袋を密閉してください。
自治体によって可燃ごみで処分できないところもありますのでお住まいの自治体に確認してから処分しましょう。
灯油がポリタンクに入っている時はガソリンスタンドへ
ポリタンクに入っている1L以上の灯油であれば、近くのガソリンスタンドや灯油を購入したホームセンターに持ち込むのが1番手軽でしょう。
処理を受け付けていない場合や、有料のところもあるので事前に電話等で確認してから持ち込みましょう。
灯油の量が多い時は業者に依頼して回収してもらう
量が多く持ち込みが難しい場合には回収業者に依頼して自宅まで取りに来てもらう方法があります。
この場合は少し費用がかかってしまいます。
依頼する前にいくら費用がかかるのか、回収業者に確認しておくと安心ですね。
ポリタンクを処分する時は空にしてから
実は、ポリタンクも処分や買い替えが定期的に必要です!
灯油用ポリタンクの買い替えの目安は約5年が推奨されています。
ですが、ポリタンクはそれなりに頑丈に作られていて落とすなどの衝撃を加えない限りまだまだ使えそうに見えますね。
容器としてなら問題ありそうには見えません。
しかし、灯油用ポリタンクは時間とともに劣化しており安全に保管するための目安は5年程度であると、日本ポリエチレンブロー製品工業会が推奨しています。
あくまで目安ですので保管状況によって交換時期は前後します。
ポリタンクの製造年月の確認の仕方
灯油用ポリタンクには製造された年月が表記されており、あと何年使えるのかを確認する事ができます。
実際に我が家にあるポリタンクの製造年月を確認してみました。
![]() | ![]() |
2019年10月 | 2020年8月 |
矢印の中の数字が西暦の下2桁を示しています。つまり、【20】と記載されていれば【2020年】に製造されたという事になります。
その矢印が指している数字は製造された月を示します。ぜひ確認してみましょう。
ちなみにポリタンクの処分方法ですが、これも自治体によって違うので確認してから廃棄しましょう。可燃ごみや粗大ごみとして処分できる自治体が多いようです。
中に灯油が残っている場合は、回収する人が大変危険ですので必ず灯油を処分してからポリタンクのみを廃棄に出して下さい。
まとめ

- 灯油には明確な使用期限は定められておらず、保管状況が悪いと数ヶ月で劣化するが正しく保管すれば数年は使える
- JISのポリタンクは性能が良く灯油が長持ちするが、白いタンクは灯油の保管に向いておらず容器が変形しすぐに劣化する
- 金属製の灯油タンクはポリタンクより良質のまま長期保管できるが容器代が高価
- 灯油は直射日光や異物の混入、酸化に弱く特に屋外での保管は収納ケースに入れる等の対策が重要
- 灯油が劣化した時の特徴は色や匂い、異物の混入等、見た目で判断しやすく、透明な容器に移し目視で確認する事ができる
- 劣化した灯油を暖房機器に使用すると、点火や消火不良が起き、故障の原因となる上に保証の対象外となる
- 劣化した灯油は販売店やガソリンスタンドで引き取ってもらう方法で処分ができる
- ポリタンクの使用期限はJISが約5年程度と推奨しており、目に見えない劣化が進んでいるため買い替えた方がよい
- ポリタンクには製造年月が記載しており、製造からどれくらい経過しているか確認ができる
灯油を毎年、1シーズンで使い切る事ができれば保管の煩わしさや劣化をチェックする手間が省けます。
できる限り計画的に購入しましょう。
灯油が余ってしまったら正しく保管して安全に快適な冬を迎えましょう♪
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