ダイニングチェアや自宅のワークスペース用の椅子としてシェルチェアは人気があります。
洗練されたデザイナーズチェアが家に1脚あるだけで、お洒落な空間になるので私も大好きで憧れる名品です。
シェルチェアはアメリカ人工業デザイナーのチャールズ&レイ・イームズ夫妻がデザインだけでなく機能性も追求して制作した椅子です。
実際に長時間座っても疲れることがなく快適だという方もいれば、一方で長時間座ると疲れるという声があります。
その理由はシェルチェアは欧米人を基準に設計されているため、背の高い方には快適ですが、背の低い方だと疲れやすいようです。
そこでこの記事では、シェルチェアに座って疲れる理由や対処法についてまとめてみました。
おすすめのリプロダクト品もご紹介してありますので、ぜひ参考にしてみてください!
シェルチェアは疲れるって本当?!
シェルチェアは欧米人を基準に設計されているため、身長が高い方だと快適に使えますが、小柄な方だと長時間の使用は疲れる傾向にあります。
椅子に求める機能は目的や場所によって色々あると思いますが、失敗しない椅子選びのポイントは4つあります。
- 自分の体格にあった高さ
- 椅子に使われている素材
- 背もたれの高さやリクライニング機能
- アームレストの有無
特に長時間座ることを考えた場合、いくらデザインがお洒落でも疲れる椅子だと購入をためらってしまいます。
そこで実際にシェルチェアを利用している方の声をまとめて見ました。
体のラインに合った曲線のデザインが体にフィットして、長時間座っても腰が痛くなりません。
椅子の高さが調節できないため、深く座るとかかとが床につかないので少し落ち着きません。
シェルチェアは座ると包み込まれる感じで、背もたれも程よく「しなる」ので心地良いです。
座面は硬いし、着ている服によって滑りやすいこともありますが、専用のチェアパッドを使えば全く問題ありませんでした。
体格的には女性の方がシェルチェアを使いづらいのかと思いきや、あまり気にせず愛用している方が多いのが印象的でした。
シェルチェアの素材が成形プラスチックやファイバーグラスを使っているため、何も施していないと駅や公園に設置されている椅子とほぼ同じです。
そのまま長時間座り続けると疲れるしお尻も痛くなります。その上、冬の時期は座面が冷たくなっているので、座りはじめはちょっと辛いです。
そのような時は、専用のチェアパッドや小さめの座布団のようなものを使うのがおすすめです。
またシェルチェアは欧米人を基準に作られているため、身長が低い方だと座面が高くて椅子が合わないと感じるようです。
実際にどれくらいの体格差があるのか、欧米人と日本人との平均身長を比べて見ました。
日本人 | アメリカ人 | 身長差 | |
男性 | 170.7㎝ | 176.3㎝ | 5.6㎝ |
女性 | 158.0㎝ | 162.2㎝ | 4.2㎝ |
欧米の生活スタイルは室内でも靴を履く文化ですので、靴やヒールの高さを考慮すると椅子を使用する際の身長差は約10㎝前後になります。
それだけの体格差で設計されているシェルチェアですので、身長が低い方が座ると足先は床についてもほとんど足が浮いたような状態になります。
椅子に座った時に足の裏全体が床につかないと体が安定しないので、頭の重さが肩や背中、腰などに負荷をかけます。
また踵(かかと)が床につかない状態だと、血の巡りが悪くなり、血行不良で冷えや脚のむくみにもつながります。
身長の低い方が身長の高い方に比べてシェルチェアに座って「疲れる」と感じる理由は、椅子の座面の高さが高すぎるからです。
それでは自分の体格にあった椅子の高さは何を基準にすれば良いのか、さらに詳しく解説します!
適正な座面の高さとは?
椅子の座面の適正な高さは、人間工学に基づいた計算式【身長×0.25-1】で測ることができます。
日本人の男女の平均身長を基にこの計算式に当てはめたところ、適正な座面の高さは以下のような結果になります。
シェルチェアの正規品の座面の高さは「約44.5㎝」。リプロダクト品だと「約41㎝〜45㎝」の高さになります。
この数字を基に計算してみると、正規品は身長約182㎝の方向け、リプロダクト品だと身長約168㎝〜184㎝向けの椅子の高さになります。
日本人の体格だと、シェルチェアは少し座面が高いということね!
私もシェルチェアを実際に使っていますが、身長が平均的な高さのため、シェルチェアの座り心地に若干の不満がありました。
シェルチェアは座面に傾斜があり、座るとお尻が座面奥にハマる感じがします。スッポリ包まれるという感覚かもしれません。
何も敷いていないと足が半分以上浮いているような状態ですので、姿勢が悪くて疲れるのでデスクワークなどの長時間作業には不向きです。
椅子の高さがそれほど重要とは思っていなかったので、これからシェルチェアを購入される方は使用シーンや椅子の高さに注意してください。
シェルチェアの座り心地を快適にする方法は?
シェルチェアの座り心地を快適にする方法は、椅子の脚を取り替えたり足置きなどのグッズを利用したりすると使いやすくなります。
シェルチェアはデザイナーズチェアとして有名で、お値段もそれ相応で決して安価ではありません。
せっかく奮発して購入しても、憧れのシェルチェアの座り心地がイマイチだと本当に残念な気持ちになってしまいます。
でも諦めないでください。シェルチェアの座り心地を快適にする方法がありますので、自分に合った方法を取り入れて試してみてください。
脚を取り替える
シェルチェアの脚を取り替えると「座面の高さ」を変えることができます。
シェルチェアには脚のタイプがいくつかあり、シェルを取り外して付け替えることができます。
<脚のタイプ> | SH(シート高) |
キャッツクレードル (ローロッドベース) | 約30〜32㎝ |
Hベース | 約43㎝ |
ドゥエルレッグベース | 約43〜44㎝ |
ワイヤーベース (エッフェルベース) | 約44㎝ (座面の最低部で約41㎝) |
スタッキングベース | 約46㎝ |
ロッカーベース | 約34㎝ |
使用する場所によって適した脚のタイプはあると思いますが、脚を取り替えるだけで高さだけでなくシェルチェア自体の印象も大きく変わります。
リプロダクト品の中には、販売店でシェルチェアの脚の部分をあらかじめカットしてくれるサービスもあるのでそれを利用するのも一つの方法です。
ちなみにハーマンミラー社に脚の長さを調整できないか問い合わせてみたところ、脚の長さは調整できないとの返答でした。
費用はかかりますが、シェルチェアの脚を取り替えることはできますので気になる方は検討してみてください!
フットレストで足を安定させる
フットレストを使うことで、足が安定し疲れにくくなります。
シェルチェアの座面が高い場合、フットレストを使う方法もおすすめです。
フットレストはシェルチェアの脚を取り替えることに比べれば、かなり簡単にしかも安価にできる対処法です。
疲れにくい椅子の座り方は「骨盤を立てる」状態にすることが大切で、そのためのポイントは3つあります。
- 椅子に深く腰掛ける
- 腰と膝の角度は90度
- 足の裏全体を床につける
姿勢良く座ることで骨盤の歪みを軽減し、肩や腰、首などの負担が軽くなります。また正しい姿勢で座ることで代謝や血流が良くなり太りにくくなります。
座面が高くて座りにくい場合は、フットレストを使って正しい姿勢で座ることで健康や美容面でもメリットがあります。
チェアパッドで座面滑りを防ぐ
座面滑りや座面の冷たさを軽減するには、チェアパッドがおすすめです。
シェルチェアは成型プラスチック等でできているため、座面が滑りやすく、また寒い時期は座ると冷たく感じます。
チェアパッドはデザイン性の高いものから機能性のあるものまで幅広い種類のものがあります。
シェルチェアに使う場合は、座面があまり高くならないよう程よい厚さと、円形のものを選ぶのがおすすめです。
また、中に入っている素材もいろいろありますのでそれぞれの特徴をまとめてみました。
<低反発ウレタン>
・体の形に合わせてクッションが変形しますので、体圧が分散されて腰への負担が軽減されます。
・長時間使用してもお尻が痛くなりにくいので、デスクワークをする際に使うのがおすすめです。
<高反発ウレタン>
・座ってもクッションがそれほど沈み込まないため、姿勢矯正をするのに適しています。
・通気性が良いため、夏の暑い時は蒸れることなく快適に使用することができます。
低反発と高反発の良いとこ取りをした二層タイプのマットもおすすめですよ!
<綿やポリエステル素材>
・洗いやすさを重視するなら綿やポリエステルがおすすめです。
・綿は肌触りが良く、ポリエステルは乾きが早いのが特徴です。滑り止め付きのものであればさらに安心です。
<ファー素材>
・ふわふわの肌触りや見た目のゴージャスさを狙うなら、ファー素材がおすすめです。
・毛の長さや色にもバリエーションがあり、見た目がとても個性的になります。
チェアパッドには様々な種類のものがありますので、あなたの状況に合わせて座り心地の良いものを選んでいただくことをおすすめします!
シェルチェアのリプロダクト品のおすすめ3選
シェルチェアはチャールズ&レイ・イームズ夫妻が「安くて大量生産ができ、広く普及するように」との思いを込めて制作した作品です。
現在は意匠権が切れて、多くのリプロダクト品が安価で販売されるようになりました。
オリジナルのシェルチェアに比べて、色や素材、脚のタイプのバリエーションが広がり、より日常生活の中に取り入れやすくなっています。
その中でも是非おすすめしたいリプロダクト品を3つご紹介したいと思います。
・Clarte<クラルテ>
・価格 9,790円(楽天市場)
・サイズ W46.5 × D55 × H80、座面高 44(cm)
・重量 約4.5kg
クリアチェアって、可愛いけど触り心地はどうせイマイチだろうなと思って購入しましたが、思っていたよりもかなり座りやすくて良かった♪
クリアチェアが可愛いというのは私も同感です。透明なだけに圧迫感もなく、どんなインテリアとも相性が良いシェルチェアですね!
・ファブリックタイプのリプロダクトチェア
・価格 14,800円(税込)
・サイズ W48 × D52 × H84、座面高 46(cm)
・重量 約4.4kg
ファブリックのシェルチェアなのでクッション性が高く疲れにくいです。背もたれも程よくしなり、座り心地はいいですね!
座面も背もたれもクッションが入っているので、座面の硬さや冷たさは感じにくいですね。
ファブリックも高級感があり、オリジナルとはまた違ったシェルチェアの良さが感じられます。
・高さ調整可能!キャスター付きリプロダクトチェア
・価格 11,800円(税込)
・サイズ W59 × D59 × H80〜86、座面高 43〜49(cm)
・重量 約10kg
キャスター付きで使い心地や座り心地は良いですね。背もたれも体重をかけるとバネが入っているみたいにたわむので、使って楽だし満足です。
リプロダクト品はオリジナルに比べるとやや劣るかと思いましたが、オリジナルのデザインを継承しつつより使いやすくなっています。
お値段もオリジナルの2割〜3割程度で十分良いものがありますので、はじめてシェルチェアを試される方にもおすすめです。
まとめ
- シェルチェアは身長の高い人だと快適に使えるが、低い方だと長時間の使用は疲れると感じやすい
- シェルチェアが疲れると感じるのは、椅子の高さが自分の体格に合っていないため
- 椅子の適正な高さは人間工学に基づいた計算式【身長×0.25-1】で求められる
- シェルチェアが高すぎる場合、脚を取り替えたり、フットレストを使ったりすると足が安定して疲れにくい
- シェルチェアの座面滑りや硬さが気になる場合、チェアパッドを使うと解消される
- シェルチェアのリプロダクト品は、ファブリック素材やキャスター付のものなど種類が豊富
シェルチェアはデザインだけでなく、機能的にも計算されて設計されているデザイナーズチェアです。
椅子の高さが変えられないため自分の体格に合わなくても、脚を取り替えたりフットレストを使ったりすることで疲れることなく快適に使えます。
リモートワークで自宅で過ごす時間が多くなった今、お洒落なシェルチェアであなたの気分を上げてくれること間違いなしです!!
シェルチェアがあなたのお家時間を充実させてくれることを願っています♪
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